東京大学大学院情報学府 教授
東京大学大学院工学系研究科 教授
制作展担当教員
この度は、無事「東京大学制作展エクストラ2012」を開催する運びとなりました。この制作展エクストラは、本年も12月に行う予定になっております、「第14回 東京大学制作展」の番外編として開催するものです。東京大学制作展は、東京大学大学院情報学環・学際情報学府の授業の一環として、学生たちが自らの研究関心を表現する、学際的実践の場という位置づけがなされています。今回も、学生たちの枠に捕われぬ自由な発想・想像・実行力が遺憾なく発揮されており、ご来場された方々には、驚きと発見をお持ち帰りいただけると思います。さて、今回のテーマは「パルス」です。力強く変化し続ける東京大学制作展を一人でも多くの方に感じていただけますよう、みなさまのご来場を教職員・学生一同、心よりお待ちしております。
慶野 結香
東京大学大学院学際情報学府
文化・人間情報学コース 修士課程1年
2012年度 制作展プロデューサー
東日本大震災から一年以上が経過しました。先端技術を用いたメディアアートを中心とした作品の展覧会である、東京大学制作展も、昨年度はその影響を受け、夏の制作展が規模を縮小しての開催となりました。ある程度の時が経過した現在においてもなお、大きな揺れから感じた恐怖や、技術に対する不信感を抱えつつ、私たちは日々を過ごしているように思います。
今回の展覧会テーマは「パルス」です。パルスとは、短時間に急峻な変化をする信号の総称であり、また、脈動の意でもあります。技術が、失われた信頼を取り戻すために必要なこと。それは、抽象的な言い方になりますが、血の通った知の躍動、つまりパルスなのではないでしょうか。このことを踏まえて、技術を用いながらも、生命や人のぬくもりを感じさせる作品・展覧会づくりを目指しました。
また、今回の「東京大学制作展エクストラ2012」は、本年も12月に行われる予定である、第14回制作展の中間発表という役割も担っています。三ヶ月弱という短い期間で作品を制作し、展覧会をほぼゼロから立ち上げた故、荒削りな部分もあるかと存じますが、冬に向けてさらによい展覧会を作っていけますよう、みなさまからの叱咤激励をお待ちしております。