第22回東京大学制作展 弛む

弛む

私達は沢山の人やものと見えない糸でつながっています.

その糸をピンと張りすぎていませんか?

貼りすぎた糸はプツリと切れてしまいます.

弛むことは張ることと同じくらい大切なことです.

弛むからこそ柔軟さがあり,解ける絡まりがあります.

糸を弛ませて生まれる心の余裕を愉しもう.

そのような契機になればという気持ちを込めて皆さんに作品を提示します.

ライブ配信は終了いたしました。
アーカイブ動画から当日の様子をお愉しみください。

日時
2020.11.13[Fri] 12:00 〜 11.16[Mon] 24:00
場所
オンライン
主催
東京大学大学院 情報学環・学際情報学府
お問い合わせ
iiiexhibition2020 [at] gmail.com

Works

Members

プロデューサー挨拶

東京大学制作展2020「弛む」へようこそ。今回で22回目となる東大制作展は、7月に行われた展覧会 Extraに続いて、インターネット空間を舞台に行われます。

今年度の制作展は、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けました。キャンパスでの活動が大きく制限された中での制作活動は難しい挑戦でしたが、「弛む」というコンセプトを軸に、多種多様な作品が集まりました。コンセプトには、糸を弛ませるように、私たちの心も弛ませて、生まれた余裕を楽しもう、という思いが込められています。皆様ぜひお楽しみください。

中條 麟太郎
東京大学 大学院
情報学環教育部 研究生
林 裕嵩
東京大学 大学院 学際情報学府
矢谷研究室修士 1年

講師挨拶

「東京大学制作展」は,学生たちが自らの研究上の関心をもとに表現活動に挑戦する学際的実践の場です。7月には感染症対策の観点から初めてオンラインで開催しました。さまざまな制約から感じる不自由さと向き合い,“WHO ZIPS YOU?”というテーマで実施しました。

今回11月のテーマは“弛む(たゆむ)”です。ピンと張り詰めた社会の空気が少しずつ緩和されてきた状況から得た着想です。再びオンライン開催に挑戦します。まだ粗削りではありますが,可能性を秘めた原石たちの取り組みをご覧ください。

渡邉 英徳
東京大学 大学院
情報学環
教授
苗村 健
東京大学 大学院
情報学環・情報理工学系研究科
教授
筧 康明
東京大学 大学院
情報学環
准教授
曽根 光揮
東京大学 大学院
情報学環
非常勤講師
武井 祥平
東京大学 大学院
情報学環
非常勤講師
鳴海 紘也
東京大学 大学院
情報学環
助教
プロデューサー
林 裕嵩/中條 麟太郎
ディレクター
渡辺 啓介/谷浦 翔紀/大城 尚人/佐藤 結佳子
制作マネージャー
久保木 仁美/矢作 優知
会計
青田 香菜子/北岸 毅一
デザイン
谷浦 翔紀/Lee Jeongwon/開元 宏樹/Kim Jungyun
塩﨑 敬祐/杉本 拓郎/武藤 琴音/森井 裕史/安川 隼
Web
今野 萌音/大城 尚人/Kukulprasong Chanya/佐久間 響子/Kim Jungyun
高橋 希実/Chen Mark/平城 裕隆/本田 悠太郎/山口 昌馬/吉川 義盛
広報
渡辺 啓介/赤瀬 稔尚/安彦 潤也/大西 彬介
菊池 知世/西田 知生/長谷川 貴哉/溝脇 由女
記録
日隈 脩一郎/佐藤 結佳子/阿部 修一郎/塩塚 大気/瑞穂 嵩人
アーカイブ
藤原 寛奈/井上 智晶/井澤 泰輝/塩﨑 敬祐
コピーライト
大野 雅貴/佐野 翔子/増田 菜々
サウンド
高 友康
スタッフ
伊東 星/稲田 栞里/海老原 礼菜/山田 彩七光

©2020 - iiiexhibition

かたやぶり

かたやぶり

"道具"とはメディアであり、人間やその感覚を拡張するものであると言われる。我々が日常的に使用している道具は何を拡張しているのだろうか。それらとヒトの関係性は、特定の形(かた)や型(かた)に囚われているのではないだろうか。本作品は、スマートフォンを拡張ディスプレイとして活用し、日常生活の中の道具と我々の関係性を弛ませる動画作品である。

オオノ マサキ
Direction, Illustlation
学際情報学府
葛岡・雨宮・鳴海研究室 修士1年
長谷川 貴哉
Movie
学際情報学府
小川研究室 修士1年
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伸縮する時間

伸縮する時間

我々はどのように時間を知覚しているのだろうか。

弛みなく進む時計の秒針は、一定に刻まれる時間軸の存在を示唆しているように見える。だがそれは決して、時間の一定不変性を保証しない。
この作品で提示される「伸縮する時間」は、日常に染み付いた時間の概念に疑問を投げかける。あなたの知覚を通して顕在化される時間は、どのような様相を呈するだろうか。

いま一度、時間の弛みに目を凝らし、耳を澄ましてみてほしい。

稲田 栞里
Direction, Design
教養学部前期課程
理科一類 学部2年
佐久間 響子
Animation
学際情報学府
筧研究室 修士1年
菊池 知世
Implementation
学際情報学府
苗村研究室 修士1年
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草を生やして絵を描く

草を生やして絵を描く

絵画は作家の死を超えることに意義があるとされる一方、諸行無常の摂理に反してこの世に蓄積され続ける存在は時に圧迫感を感じさせる。保存されない一瞬の生命で描かれた絵画は、こういった状況に”ゆとり”を持たせることができるのではないだろうか。本作品は【生えて、弛んで、しぬ】をテーマに、草を生やして人体を表現した絵画の連作である。

溝𦚰 由女
Direction, Drawing
情報学環
教育部 研究生1年
安彦 潤也
Music, Video Edit
情報学環
教育部 研究生1年
塩塚 大気
Engineering
学際情報学府
上條研究室 修士1年
青田 香菜子
Video Edit
学際情報学府
筧研究室 修士1年
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間の現像

間の現像

光を頼りに私たちは空間を知覚する。
光によって私たちの環境は変化する。
デジタルに染まる私たちは、光の質感に意識を向けられているだろうか。記号的な日常の風景に、光の奥行きを感じ取れているだろうか。忙しい毎日の中で、無意識に環境を固定化してしまっているのではないだろうか。
この作品では、動く光によって時間や空間の一瞬を現像していく。移りゆく時の間が、光が届ける空間が、映像上に表出されていく。光が映す視点によって異なる"環境"を再認識してほしい。

北岸 毅一
Direction, Engineering
学際情報学府
越塚研究室 修士1年
武藤 琴音
Design
東京芸術大学 大学院
第3研究室Time&Space 修士1年
山田 彩七光
Design
東京芸術大学 大学院
第3研究室Time&Space 修士1年
平城 裕隆
Engineering (Software)
学際情報学府
暦本研究室 修士1年
井澤 泰輝
Engineering (Hardware)
学際情報学府
上條研究室 修士1年
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蓄跡機

蓄跡機

本作品は、人の存在を書き出し、記録するための装置である。オンライン展示会では直接姿を見ることはできないが、自宅のパソコンや手に持っているスマートフォンを通じて鑑賞者が来場する。装置を通じて、私たちはここで出会う。姿を見ることはできないが確かに存在する他者を知覚し、また他者へ自分の存在を知覚させる。
存在が重なり合い、展示場に残された痕跡をその場だけのものとして積み重ね、2020.11.13-16の4日間の制作展、来場者が示した存在を記録として残す。

久保木 仁美
Direction
学際情報学府
筧研究室 修士1年
伊東 星
Design (Web)
多摩美術大学
美術学部情報デザイン学科 卒業生
海老原 礼菜
Design (Web)
多摩美術大学
美術学部情報デザイン学科 卒業生
塩塚 大気
Engineering (Software)
学際情報学府
上條研究室 修士1年
中條 麟太郎
Design (Product)
情報学環
教育部 研究生
平城 裕隆
Engineering (Software)
学際情報学府
暦本研究室 修士1年
森井 裕史
Design (Product)
多摩美術大学
美術学部情報デザイン学科 学部3年
吉川 義盛
Engineering (Software)
学際情報学府
筧研究室 修士1年
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Addition

Addition

体内に設けられた機械部品の組み合わせのみで複雑な動作を実現するからくり人形。
あらゆるものをバーチャルの波が飲み込んでいく時代の中、電子制御が関与しないからくり人形の動作にはどこか無機質な美しさと生々しさが共存し、私たちを惹きつける。
この作品では、「計算」し「文字を書く」という人間に特有の行動を抽出したからくり人形を制作し、無機質なモノが知性を持つ様子を表現した。モノと生き物の境界線がどこにあるか、その弛みに注目して欲しい。

杉本 拓郎
Design
学際情報学府
山中研究室 博士1年
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co(r)d[e]

co(r)d[e]

本作品は、複数の糸から模様が構成されていく組紐に触発されたものである。一方の組台で分解された組紐の模様は、情報として別地点に送られ、その情報を元に新たに組紐が組まれていく。情報が物質的な存在として組み上げられ移動していく様を、組紐が組み上げられていく過程を通して鑑賞することができる。鑑賞者が情報に干渉し、組み替えることで新たに情報を生じさせるといった、緩やかで共創的な情報の変移も期待している。

開元 宏樹
Direction
学際情報学府
筧研究室 博士1年
矢作 優知
Engineering
学際情報学府
苗村研究室 修士1年
平城 裕隆
UI/UX Design
学際情報学府
暦本研究室 修士1年
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B et A laboratorium

B et A laboratorium

画面の中の小さな実験室でゆっくりゆっくりとリアルタイムで科学実験が行われている。実験室はどこにあるかわからないが、わたしの画面の中にも、あなたの画面の中にもある。目の前の机は自分専用の実験台になりうる。あなたの働きかけで実験にどのような変化が生まれるだろうか。前と比べてどんな変化が起きているだろうか。さぁ、ScienceとArtとTechnologyの可能性を感じてみよう。

林 裕嵩
Lab Management
学際情報学府
矢谷研究室 修士1年
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どっぺる

どっぺる

画面に映し出された人間とそれを外から覗き込む人間。彼らは対等な関係性だろうか。
バーチャルの存在感は日毎に大きくなり、もう一つのリアルとして人々に受け入れられ始めている。しかし、存在感があろうとも電源を抜かれてしまえばなす術がない。どれだけ技術が発展しようともリアルの優位はゆるがないのかもしれない。本作品中のリアルとバーチャルの交流を通じて、彼らの関係について考えるきっかけにする。

瑞穂 嵩人
Direction, Engineering
情報理工学系研究科
葛岡・雨宮・鳴海研究室 修士1年
山口 昌馬
Direction, Video Edit, Act
情報理工学系研究科
葛岡・雨宮・鳴海研究室 修士1年
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36◯°

36◯°

本作品は、360°動画の間違い探しである。この体験も普段の生活も、私たちが一度に見られるのは世界のほんの一部だけである。見ているようで見えていないことがいかに多く、すべてを見渡すことがどれだけ大変なのか気付くきっかけを得てもらいたい。気軽にぐるぐると見回してみよう。あなたはいくつ間違いを見つけられるだろうか、

井上 智晶
Direction, Edit, Act
学際情報学府
三輪研究室 修士1年
阿部 修一郎
Direction, Act
学際情報学府
水越研究室 修士1年
佐久間 響子
Direction, Web
学際情報学府
筧研究室 修士1年
佐藤 結佳子
Direction, Act
学際情報学府
佐倉研究室 修士1年
日隈 脩一郎
Direction, Act
情報学環
教育部 研究生6年
瑞穂 嵩人
Direction, Act
情報理工学系研究科
葛岡・雨宮・鳴海研究室 修士1年
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airium

airium

いつも眺めている風景はあなたにとって見慣れたありきたりのものかもしれません。
このコンテンツではそのありきたりにほんの少しだけ彩りを加えます。

いつもの風景がほんの少し変わって見えたら、あなたはその日常をどのように感じるでしょうか?
ふとゆったりとしたくなった時に覗いてみてください。

もしかしたら私たちの見えないところではこのような世界が広がっているのかもしれません。
※ スマートフォン/タブレット専用コンテンツです。

吉川 義盛

学際情報学府
筧研究室 修士1年
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大爆走!オーディオレーシング2 -ON THE BEAT-

大爆走!オーディオレーシング2 -ON THE BEAT-

オーディオゲーム……それは、視覚を使わず、音のみを頼りにプレイするゲームである。
音という限られた情報から生み出される世界は、プレイヤーの想像力次第......。

オーディオゲームと融合した究極のレーシングゲーム《大爆走!オーディオレーシング》がさらにパワーアップして帰ってきた!
導くサウンド!溢れる実況! 瞳を閉じ、音に意識を集中すれば、準備は完了!
何も見えないからこそ見えてくる、視覚に縛られない自由な<世界>!
キミの想像力こそが、その扉を開くカギだ!!
ほとばしれ!イマジネーションッ!!

たか 友康
Game Design, Program, Sound Design, Voice
学際情報学府
筧研究室 修士2年
増田 菜々
Music, Voice
文学部
言語学研究室 卒業生
開元 宏樹
Voice
学際情報学府
筧研究室 博士1年
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本のない図書館

本のない図書館

本のない図書館は、名前の通り本が一冊もない。その代わり、読者の感想や印象によって創られる物語の登場人物のアバタが存在する。本のない図書館での体験は、自分の知らない本と出会うだけではないはず。あなたの作った登場人物のアバタは、他者にどう映るのだろうか?

安川 隼
Direction, Design, Modeling
学際情報学府
川越研究室 修士1年
高橋 希実
Composition
情報理工学系研究科
葛岡・雨宮・鳴海研究室 修士1年
溝𦚰 由女
Design, Modeling
情報学環
教育部 研究生1年
谷浦 翔紀
Modeling
学際情報学府
Miles Pennington研究室 修士1年
たか 友康
Music
学際情報学府
筧研究室 修士2年
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ことばの表情

ことばの表情

我々はたくさんの言葉に囲まれて生きている。時として言葉に励まされたり、傷つけられたりする。そんな言葉に色があったら、私たちの目にはどう映るのだろうか。この作品では、自然言語処理を用いた感情分析により、言葉に色がついている世界を制作した。言葉に色という表情がつけられた世界で、あなたは何を感じるだろうか。

塩﨑 敬祐
Direction, Engineering
情報理工学系研究科
葛岡・雨宮・鳴海研究室 修士1年
谷浦 翔紀
Design
学際情報学府
Miles Pennington研究室 修士1年
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effective distance

effective distance

世の中には、近付きすぎると見えにくいモノやコトがある。そんな時は、張り詰めた気持ちを弛ませて、少し遠くから見てみよう。隠れていたモノや全体が見えるようになって、視野が広くなるかもしれない。この作品では、様々な感情を紹介している。今のあなたに寄り添うものがあれば、一息ついて、ゆっくりと画面から離れて見て欲しい。距離を取ることで見えてくるものがあるかもしれない。

Chen Mark
Directrion, Illustration
情報理工学系研究科
苗村研究室 修士1年
藤原 寛奈
Art direction, Prototyping
学際情報学府
渡邉研究室 修士1年
吉川 義盛
Engineering
学際情報学府
筧研究室 修士1年
今野 萌音
Illustration
情報理工学系研究科
葛岡・雨宮・鳴海研究室 修士1年
赤瀬 稔尚
Illustration
情報理工学系研究科
葛岡・雨宮・鳴海研究室 修士1年
Kim Jungyun
Idea development
学際情報学府
葛岡・雨宮・鳴海研究室 修士1年
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波打ち際

波打ち際

ずっと昔に何処かで聞いた小噺
最近知った美味しいカレーのコツ
昔懐かしアスキーアート
誰にも知られたくない自分の秘密
(とは言いつつも実際は隙あらば話しちゃおうかなと思ってる秘密
とりとめのない言葉を海に流して
誰に届くか、いつ届くかは波まかせ
そんなコミュニケーション楽しみませんか

ただし人の悪口は書かないで
海岸がゴミであふれてしまう

西田 知生
作った人
情報理工学系研究科
葛岡・雨宮・鳴海研究室 修士1年
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招待状-香るcode-

招待状-香るcode-

この作品は予約された方にのみ送られる限定作品である。

オンライン生活で身近に感じることが少なくなった“香り”
例年のように東京大学キャンパス内の会場であればきっと出会っていた香りを届けたいという想いから、この作品は生まれた。ちょっぴり息が詰まる日常を忘れて、目の前の香りを愉しもう。あなたは「香るQRコード」から何を“読み取る“のだろうか。

渡辺 啓介
Direction, Design
学際情報学府
筧研究室 修士1年
オオノ マサキ
Enginnering
学際情報学府
葛岡・雨宮・鳴海研究室 修士1年
佐野 翔子
Story-telling
学際情報学府
矢谷研究室 修士1年
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ユナの大冒険

ユナの大冒険

「あのサイトも、このサイトも、どれもこれも、上から下。」
ユナは考えた。webサイトの世界に重力はないはずなのに、どうしてどのページも上から下に流れるのだろうか。ニンゲンの当たり前が、ユナの当たり前とは限らない。
そんなユナが、展示会を開催した。「みんなに喜んでもらえる展示会にしたい。」順路に従うのも良し、寄り道するのも良し、すべてはあなたの選択次第。あなたの「見たい」を頼りに、ユナと一緒に冒険してみてはどうだろうか。

大城 尚人
Direction
学際情報学府
山中研究室 修士1年
Kim Jungyun
UI/UX Design
学際情報学府
葛岡・雨宮・鳴海研究室 修士1年
Lee Niwa
Illustration
多摩美術大学
美術学部情報デザイン学科 学部2年
Kukulprasong Chanya
Front-end
情報理工学系研究科
苗村研究室 修士1年
本田 悠太郎
Front-end
学際情報学府
苗村研究室 修士1年
吉川 義盛
Front-end
学際情報学府
筧研究室 修士1年
大西 彬介
User test
学際情報学府
山中研究室 修士1年
藤原 寛奈
Editorial Design
学際情報学府
渡邉研究室 修士1年
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